創業するには何から始める?アイデアから開業まで創業ロードマップ完全ガイド

  • 「いつか自分で事業をしてみたい」
  • 「会社員を続けながら、小さく商売を始められないだろうか」

そう考えたことはあっても、何から手を付ければよいのか分からず、そのままになっている方は少なくありません。

商品やサービスの案はあっても、本当に買ってくれる人がいるのか、いくら準備すればよいのか、生活していけるだけの利益が出るのかを考え始めると、急に難しく感じます。

この記事では、創業をぼんやりと考えている方に向けて、創業の動機を固める段階から、事業計画、収益計画、資金調達、開業準備までの流れを説明します。

すべてを一度で完成させるのではなく、できるところから考え、調べ、試しながら具体化していきましょう。

創業準備は何から始めればよいか

創業はやりたいことを事業に変える作業

創業の出発点は「自分の店を持ちたい」「得意な仕事で独立したい」「地域の困りごとを解決したい」といった思いです。

ただし、思いだけでは事業を続けられません。商品やサービスを必要とするお客様がいて、代金を受け取り、仕入れや家賃、人件費などを支払った後にお金が残る仕組みが必要です。

そこで、やりたいことを「誰に、何を、どのように提供するのか」「なぜ自分が提供するのか」「どうやって売上と利益を得るのか」という形に変えていきます。

この作業が事業計画づくりです。事業計画は金融機関に見せるためだけの書類ではなく、創業者自身が事業の可能性と課題を確かめるためのものです。

創業することより事業を続けることを考える

創業前から完璧な計画を作ることはできません。分からないことを明らかにし、小さく試し、結果を見ながら計画を修正できる状態をつくることが現実的です。

副業や試験販売、モニター提供、イベント出店など、事業によっては小さく始める方法もあります。ただし、勤務先の副業規定や必要な許認可は事前に確認してください。

創業日を仮に決めて準備を逆算する

「いつか始めたい」と考えているだけでは、準備の優先順位が決まりません。

まずは仮でもよいので、半年後や1年後などの創業時期を置いてみましょう。

そこから逆算すると、いつまでに顧客調査をするか、物件を探すか、融資を相談するか、許認可を申請するかが見えてきます。

調べた結果、間に合わないと分かれば創業日を見直せばよいのです。

日本政策金融公庫の「創業の手引」では、創業準備を

  • 創業の動機を固める
  • 創業時期を固めてスケジュール化する
  • 経営者になる準備をする
  • ビジネスプランを固める
  • 経営資源を整えて実行準備をする

という5つのステップで整理しています。

本記事も、この考え方を参考にしながら、創業を考え始めた方が動きやすい順番で説明します。

参考 日本政策金融公庫 創業の手引

創業準備の全体像

段階 考えること 主な確認内容
1 創業の動機を固める なぜ創業するのか、誰のどのような困りごとを解決したいのか
2 創業時期を固めてスケジュール化 創業日を仮に決め、必要な準備を逆算する
3 経営者になる準備をする 経営者としてのマインドと必要な能力を身に付ける
4 ビジネスプランを固める アイデア、理念、戦略、マーケティング、事業の仕組みと数字を固める
5 経営資源を整えて創業の実行準備をする 人、モノ、金、情報、許認可、届出、採用を整える

ステップ1 創業の動機を固める

なぜ創業したいのかを書き出す

最初に「なぜ創業したいのか」を書き出します。

立派な理念を作ろうとする必要はありません。

ポイントは、格好をつけずに率直な気持ちを書くことです。

今の仕事で感じていること、得意なこと、お客様から喜ばれた経験、地域や業界で不便だと思うことなどを、思いつくまま挙げてみます。

自分の収入を増やしたい、働く時間を選びたいという理由が含まれていても構いません。

大切なのは、自分の本音を出発点にすることです。

頭の中で考えているだけでは気づかなかった本音や、事業にかける熱意が、文字にすることで明確になっていきます。

「本当は不安がある」「でもこれだけは譲れない」といった本音まで書き出すことで、自分の創業動機の輪郭がはっきりしてきます。

なお、創業動機は一度書いたら終わりではありません。

準備を進めるなかで気持ちが変化することもありますので、ビジネスプランを固める過程で定期的に見直し、必要であれば書き足していくとよいでしょう。

誰のどのような困りごとを解決するか

創業動機を事業へつなげるには、「誰に喜んでもらいたいか」を具体的にします。

「地域の人」「中小企業」「子育て世代」といった広い表現から一歩進め、どこに住み、どのような場面で困り、今はどうやって対応している人なのかを想像します。

実在する知人や過去のお客様を思い浮かべると考えやすくなります。

ステップ2 創業時期を固めてスケジュール化する

創業日を仮に決めて逆算する

創業時期が決まらないままでは、物件探し、資金調達、許認可、仕入先との交渉、集客などの準備が先送りになりがちです。

最初は仮の日付で構いません。半年後や1年後などの創業日を置き、必要な準備と所要期間を洗い出して、いつまでに何をするかを決めます。

「○年○月○日に創業する」と具体的な日付を決めることで、実現の可能性は大きく高まります。

調べた結果、準備が間に合わないと分かれば、創業時期を見直します。

生活面を含めて無理のない時期を考える

退職時期、家族の理解、生活費、健康状態、繁忙期や季節性も創業時期に影響します。

融資や許認可には時間がかかり、物件契約や設備発注を急ぐと判断を誤ることがあります。

事業の都合だけでなく、創業後しばらく売上が安定しない場合にも生活を維持できるかを確認しておきます。

ステップ3 経営者になる準備をする

経営者として必要なマインド

創業準備というと、多くの人はビジネスプランを固めることに意識が向きがちですが、実は「経営者になる準備」はそれ以上に重要だといっても過言ではありません。

事業を長く続けられるかどうかは、最終的には経営者本人の資質にかかっているからです。

思いどおりに売れない時期にも、顧客の声や数字を見て原因を考え、計画を修正しながら行動を続ける姿勢が必要です。

一方で、何でも一人で抱える必要はありません。

自分で判断することと、専門家や協力者に任せることを分けるのも経営者の役割です。

経営者に必要な能力の向上

会社員は担当業務に集中できますが、創業後は販売、資金管理、契約、税務、採用など、多くの判断を自分で行います。

すべてに詳しくなる必要はありませんが、何が分からないかを把握し、専門家へ相談できる程度の基礎知識は必要です。

創業までの期間を使い、特に不足している知識や経験を研修、実務経験、相談などで補います。

起業家の体験談や勉強会に参加して一次情報を得ること、地域の創業塾や創業セミナーに参加することなどが、能力向上の具体的な方法として挙げられます。

経験と能力を棚卸しする

創業融資を利用する場合、経営者の略歴や事業経験は重要な説明材料になります。

勤務先の名前を並べるだけでなく、どのような仕事を担当し、何を身に付け、どのような成果を上げたのかを書き出します。

その経験が商品づくり、仕入れ、集客、店舗運営、人材育成などにどう生かせるかまで説明できると、事業計画に説得力が生まれます。

未経験の業種だから創業できないという意味ではありません。

ただし、経験不足によるリスクを認識し、実務経験のある人と組む、創業前に勤務して学ぶ、研修を受ける、専門家から助言を得るなど、補う方法を具体的にする必要があります。

ステップ4 ビジネスプランを固める

ビジネスプランは、思いついた商品やサービスを、継続できる事業の仕組みに変えるための設計図です。

日本政策金融公庫の「創業の手引」に沿って、次の8項目を順番に整理します。

それぞれは相互に関係するため、一度決めて終わりではなく、調査や試算をしながら行き来して固めていきます。

参考 日本政策金融公庫 創業の手引

アイデアの整理

想定する顧客を具体的にする

「良い商品なら売れる」と考えたくなりますが、良いと感じる基準はお客様によって異なります。

価格を重視する人もいれば、品質、速さ、近さ、安心感、専門性を重視する人もいます。

誰を主な顧客にするかによって、商品内容、価格、営業時間、店舗の場所、広告方法が変わります。

個人向け事業なら、年齢、居住地域、家族構成、利用場面、困っていること、現在使っている代替手段などを考えます。

事業者向けなら、業種、規模、地域、担当者、発注のきっかけ、予算、決裁方法などを考えます。

最初から対象を広げすぎると、誰にも強く伝わらない商品になりやすいため、まず中心となる顧客を決めます。

インターネットだけでなく現場も見る

市場調査というと、大がかりな統計分析を想像するかもしれません。

創業初期は、公開統計や自治体資料、業界団体の情報に加え、候補地を歩く、競合店を利用する、想定顧客へ話を聞くといった調査が役立ちます。

店舗型事業なら、曜日や時間を変えて通行量や客層を確認します。

インターネット上の口コミから、顧客が何を評価し、何に不満を感じているかも分かります。

知人への聞き取りでは、気を遣って好意的な答えが返ることがあります。

「買いたいと思いますか」だけでなく、「今はどのような商品を、いくらで、どのくらいの頻度で買っていますか」「不満は何ですか」と、現在の行動を聞くことが大切です。

可能であれば、有料の試験販売を行い、実際にお金を払ってもらえるかを確かめます。

競合との違いを言葉にする

競合は同じ商品を扱う店だけではありません。

例えば、昼食を提供する飲食店にとって、コンビニ、弁当の宅配、自宅から持参する弁当も代替手段です。

お客様が同じ目的を満たすために選べるものを広く確認します。

競合の商品、価格、営業時間、立地、集客方法、口コミを調べ、自分の事業がどこで違いを出すかを考えます。

「高品質」「丁寧な対応」だけでは違いが伝わりません。

使用する材料、保有資格、対応時間、対象顧客、提供工程など、顧客が比較できる言葉にします。

日本政策金融公庫の資料でも、自社、顧客、競合の3つの視点で分析し、お客様から選ばれる理由を具体的に言語化することが示されています。

経営理念

経営理念は、この事業を通じて何を実現したいのか、顧客や地域にどのような価値を届けたいのかを示すものです。

創業の動機を土台に、自分だけでなく顧客や従業員、取引先にも伝わる言葉にします。

迷ったときの判断基準になるため、立派な表現より、自分が納得して長く大切にできる内容を目指します。

経営戦略

経営戦略では、限られた人、モノ、金、情報をどこへ集中し、競合と違う価値をどうつくるかを決めます。

市場環境、自分の強みと弱み、顧客の需要、競合の動きを踏まえ、誰を主な顧客とし、何を強みにするかを明確にします。

創業時は資源が限られるため、やらないことを決める視点も大切です。

マーケティング

開業前から見込み客との接点を作る

良い商品やサービスを用意しても、その存在がお客様に伝わらなければ売上にはつながりません。

創業後に慌てて集客を始めるのではなく、準備段階から、想定するお客様がどこで情報を探し、何を基準に選ぶのかを確認します。

そのうえで、ホームページ、ブログ、SNS、チラシ、紹介など、自分の事業と顧客に合う方法を選びます。

開業前の情報発信では、売り込みを急ぐ必要はありません。

事業を始める理由、準備の様子、商品やサービスに込めた考え、役立つ情報などを継続して伝えることで、開業前から事業を知ってもらえます。

可能であれば、モニター提供や試験販売を行い、お客様の反応や問い合わせにつながった経路も確認します。

集客方法を一つに頼りすぎない

SNSだけ、広告だけというように一つの方法に頼ると、その方法が機能しなかったときに売上が止まります。

店舗型であれば看板、地図検索、口コミ、地域での紹介を組み合わせ、事業者向けであればホームページ、紹介、訪問、セミナーなどを組み合わせます。

最初から多くの方法に手を広げず、反応を記録しながら効果のある方法へ時間と費用を振り向けます。

ビジネスモデル

誰に何をどのように提供するか

顧客や競合を調べたら、事業の仕組みをまとめます。

最低限、「誰に」「何を」「どのように提供し」「どこから収益を得るか」を説明できるようにします。

店舗で商品を販売するのか、訪問するのか、オンラインで提供するのか。

1回ごとに代金を受け取るのか、月額契約にするのか。

自分で製造するのか、仕入れるのか。

こうした組み合わせがビジネスモデルです。

最初は一枚で説明できる形にする

構想段階では、長い計画書を作るより、一枚の紙に顧客、顧客の課題、商品・サービス、販売方法、価格、必要な協力者、主な経費を書いてみる方法が向いています。

空欄になった部分が、これから調べることです。

書いてみてつながらない部分があれば、商品や対象顧客を見直します。

ビジネスモデルの作り方は、別の記事で具体例を用いて詳しく解説する予定です。

チームビルディング

事業に必要な仕事をすべて創業者一人で担えるとは限りません。

共同経営者、従業員、家族、外注先、仕入先、金融機関、専門家など、誰にどの役割を担ってもらうかを整理します。

必要な能力が不足する場合は、採用だけでなく、外注や連携によって補う方法もあります。

収支計画

売上は単価と数量に分解する

収益計画で最も大切なのは、売上の根拠です。

「月100万円を目指す」という目標だけでは、実現可能性を判断できません。

飲食店なら、客単価、席数、回転数、営業日数に分けます。

小売業なら、商品単価と販売数量、サービス業なら、契約単価と顧客数、稼働できる時間などに分けます。

例えば、客単価1,000円で1日30人、月25日営業する場合、月商は75万円です。

この30人が現実的かを、立地、営業時間、席数、競合店の状況、試験販売などから確認します。

創業直後から満席になる前提ではなく、認知が広がるまでの期間も考えます。

季節変動がある事業は、月平均だけでなく月別に作ると資金不足の時期が見つかります。

原価と経費を漏れなく見積もる

売上から商品仕入れや材料費などの売上原価を引き、さらに家賃、人件費、水道光熱費、通信費、広告費、システム利用料、車両費などを引いた金額が利益です。

創業時は売上に目が向きやすい一方、細かな経費の見落としが積み重なります。

見積書や料金表を集め、固定的に発生する経費と、売上に応じて増える経費に分けて確認します。

従業員を雇う場合、人件費は給与だけではありません。

事業主が負担する社会保険料や労働保険料、採用費、制服、備品、教育時間なども必要です。

また、個人事業主自身の生活費は事業上の経費になりませんが、事業を続けるには確保しなければなりません。

利益から借入金の元金返済と生活費を差し引いて、手元にお金が残るかを確認します。

複数のケースを用意する

収益計画の具体的な作り方は、子記事「創業時の収益計画の作り方」で詳しく解説する予定です。

資金計画

設備資金と運転資金を分ける

創業に必要なお金は、大きく設備資金運転資金に分かれます。

設備資金には、店舗や事務所の内装、機械、車両、什器、パソコンなどが含まれます。

運転資金には、商品仕入れ、家賃、人件費、広告費など、事業を動かすための支払いが含まれます。設備は見積書を取り、金額の根拠を確認します。

見落としやすいのが、売上が安定するまでの運転資金です。

開業月から予定どおりに売れるとは限りません。

売上の入金より先に、家賃や仕入、人件費の支払いが来る場合もあります。

開業に必要な金額だけでなく、売上が少ない期間を何か月耐えられるかを考えます。

自己資金と借入れのバランスを確認する

必要資金のすべてを自己資金で用意できない場合、金融機関からの借入れを検討します。

融資の可否は、創業計画書だけで決まるものではありません。

創業者の経験、自己資金を準備してきた経緯、個人の借入状況、必要資金の妥当性、売上計画の根拠、返済可能性などを総合的に確認されます。

希望額から計画を作るのではなく、事業に本当に必要な金額を積み上げ、そのうち自己資金で賄える額と借入れが必要な額を整理します。

資金繰りを確認する

資金調達と資金繰りは分けて考えます。

資金調達は創業時に必要なお金をどう用意するか、資金繰りは創業後の入金と支払いをどう回すかという問題です。

必要資金と資金調達、創業後の資金繰りについては、それぞれ子記事で詳しく解説する予定です。

創業計画書でビジネスプランをまとめる

融資を受けるためだけの書類ではない

日本政策金融公庫の創業計画書には、創業の動機、経営者の略歴、商品・サービス、取引先、従業員、関連企業、借入れの状況、必要な資金と調達方法、事業の見通しなどを記載します。

書式に沿って考えることで、創業準備の不足や数字の矛盾が見えます。

参考 日本政策金融公庫 創業計画の書き方

計画書にした内容は、家族や共同経営者、取引先に事業を説明するときにも使えます。

創業後は、実際の売上や経費と比較し、どこに差が出たかを確認する基準になります。

融資を利用しない場合でも、事業内容と数字を整理するために作成する意味があります。

ステップ5 経営資源を整えて創業の実行準備をする

ビジネスプランが固まったら、実行に必要な人、モノ、金、情報を整えます。

すでに持っているものと新たに調達するものを分け、創業日までのスケジュールへ落とし込みます。

物件や設備の契約、資金調達、許認可、採用は互いに影響するため、順番を確認して進めます。

個人事業と法人を比較する

個人事業は比較的簡単に始められ、設立費用も抑えられます。

法人は設立手続と費用が必要ですが、取引先からの信用、事業規模、従業員採用などの面で適する場合があります。

税金だけで決めるのではなく、事業内容、取引先の条件、必要な許認可、社会保険、将来の規模を踏まえて選びます。

参考 中小企業基盤整備機構 夢を実現する創業

許認可は契約や投資の前に確認する

飲食店、旅館業、建設業、運送業、酒類販売業、人材派遣業、古物商など、創業前に許可、登録、免許、届出が必要な事業があります。

物件の設備や立地が許可要件を満たさない場合もあります。

先に物件を契約したり設備を購入したりせず、関係行政機関へ必要な手続と要件、期間を確認してください。

従業員を雇う計画も早めに考える

創業当初から従業員が必要な事業では、採用時期と人件費を早めに計画します。

従業員を雇うと、労働条件の明示、労働時間の管理、給与計算、労災保険、雇用保険、社会保険などの対応が必要になります。

必要な人数を収益計画へ反映し、採用してから慌てないよう準備します。

初めて従業員を雇う際の手続と労務管理は、こちらの記事で解説しています。

初めて人を雇う手続き6ステップ|必要な届出と書類【完全ガイド】

創業計画で注意したいこと

最初から大きく始めすぎない

立派な店舗や新しい設備は魅力的ですが、固定費と借入返済も増えます。

事業に不可欠な投資と、売上が安定してからでもよい投資を分けます。

小さく始めても、お客様の反応を確認しながら設備や人員を増やせます。

規模を抑えることは消極策ではなく、創業時の不確実性に対応する方法です。

計画を作ったままにしない

創業後は、毎月の売上、原価、経費、預金残高を計画と比較します。

差が出た場合は、単に「売上が足りない」で終わらせず、客数、単価、成約率、営業日数などに分けて原因を確認します。

改善策を試し、結果を見て次の行動を決めます。計画は守るための決まりではなく、判断の基準として使うものです。

中小企業診断士による創業支援

創業者の考えを対話で整理する

創業支援では、専門家が事業内容を代わりに決めるわけではありません。

創業するのは相談者自身だからです。

支援者は、なぜ始めたいのか、誰に届けたいのか、どのような経験があるのかを質問し、相談者の言葉を整理します。

そのうえで、市場や競合を調べ、数字に置き換え、実行できる計画へ近づけます。

中小機構の「支援者のための創業サポートブック」では、創業支援を、創業への関心を高める発掘、やりたいことを明確にする構想、事業内容を具体化する計画、創業に向けて行動する実行の段階で整理しています。

相談者の準備状況に合わせ、必要な支援を行う考え方です。まだ考えがまとまっていない段階でも、相談する意味があります。

参考 中小企業基盤整備機構 支援者のための創業サポートブック

事業全体と数字のつながりを確認する

中小企業診断士は、商品や集客だけでなく、顧客、競合、販売方法、業務の流れ、収益、資金、人員をまとめて確認します。

例えば、売上を増やす施策があっても、対応する人員や設備が足りなければ実行できません。

従業員を増やすなら、人件費を負担できる売上と資金が必要です。

計画の一部分ではなく、全体の整合性を確かめることが創業支援の役割です。

創業後も計画と実績を確認する

創業計画を作っても、実際には想定どおりに進まないことがあります。

重要なのは、差が出たときに早く気づき、修正することです。

今すぐ変えること、半年以内に取り組むこと、売上が安定してから行うことに分ければ、一度にすべてを解決する必要はありません。

創業前から相談できる相手を持っておくと、問題が大きくなる前に対応しやすくなります。

久野事務所の創業支援

久野事務所では、中小企業診断士として、創業動機や事業アイデアの整理、顧客・市場・競合の確認、ビジネスモデル、売上・利益・資金計画の作成を支援します。

資金調達や補助金・助成金についても、制度の利用だけを目的にせず、事業に必要な投資か、資金繰りに無理がないかを一緒に検討します。

また、社会保険労務士として、初めて従業員を雇う際の労働条件、社会保険・労働保険、給与計算、労務管理も支援できます。

事業計画では人件費を計上したものの、採用手続や雇用後の管理まで考えていなかったということがないよう、経営と労務を一緒に確認します。

創業の考えがまだまとまっていなくても構いません。

現状を伺い、今すぐ調べること、創業時期までに準備すること、創業後に整えることへ分けて進めます。

専門家の考えを一方的に押し付けるのではなく、創業者自身が納得して判断できるよう伴走します。

創業準備に関するよくある質問

創業のアイデアが固まっていなくても相談できますか

相談できます。誰に何を提供するかが決まっていない段階では、創業したい理由、これまでの経験、関心のある分野、使える時間や資金を整理するところから始めます。

早い段階で整理すると、退職や投資をする前に事業の可能性と課題を確認できます。

創業計画書はいつ作ればよいですか

融資の申込み直前に初めて作るのではなく、事業の構想を具体化する段階から少しずつ作ることをおすすめします。

最初は空欄があっても構いません。調査や見積りを進めながら更新し、融資を申し込む時点で文章と数字を整合させます。

融資を受けなくても創業計画書は必要ですか

融資を利用しない場合、日本政策金融公庫へ提出する必要はありません。

それでも、顧客、商品、販売方法、売上、経費、必要資金を整理するために計画書を作る意味があります。

創業後に実績と比較し、事業を見直す基準にもなります。

まとめ

創業をぼんやり考えている段階で、完成した事業計画は必要ありません。

まず、なぜ創業したいのか、自分にどのような経験や強みがあるのかを書き出します。

次に、想定するお客様へ話を聞き、競合や市場を調べ、誰に何をどのように提供するかを決めます。

その内容を売上、原価、経費、必要資金へ置き換え、創業後もお金が回るかを確認します。

考えてみて分からない部分が出てくるのは、準備が失敗したからではありません。

何を調べ、誰に相談し、どこを修正すべきかが分かったということです。

創業日を仮に決め、できるところから一つずつ進めてください。

「事業のアイデアをどう整理すればよいか分からない」「売上や必要資金を具体的な数字にできない」「創業時から従業員を雇う予定がある」という方は、久野事務所へご相談ください。

中小企業診断士と社会保険労務士の立場から、事業計画と人の問題を一緒に整理し、実行できる形へ近づけます。

まずはLINEで相談

友だち追加